合わない入れ歯を使用することの危険性

合わないままの入れ歯を使い続けるとどうなるのか。合わない入れ歯のリスクについて調べました。

入れ歯が合わない原因

人によって入れ歯の合わない理由はさまざま。そんな中でもよくある例として挙げられるのが4つほどあります。

1つが入れ歯の作りに問題がある場合。最初から違和感が強く、作ったときにそもそもあまり口に合っていなかったのに使い続けているという人が少なからずいます。

2つ目は口の中の状態の変化。月日を重ねれば重ねるほど、人の口の中は入れ歯を作った頃のものとは違ってきてしまいます。加齢や歯周病のために顎の骨が減ったり、歯が抜け落ちると口の形は変わります。

3つ目がその人個人の体調や癖の問題です。病気をしたとか、入れ歯の片側だけで噛んだり前歯だけで食べたり。どうしても入れ歯が気になってしまうという人がいれば、特殊な入れ歯を製作してもらい徐々に口に慣らすようにしましょう。

4つ目が入れ歯の摩耗や変形。何度も噛んでいると入れ歯がすり減り、上下の噛み合わせが変化して物を上手に食べられなくなります。また、入れ歯はプラスチック製であることが多いため、熱や乾燥に弱く変形しやすいという弱点もあります。

保険適用の入れ歯は合わないことが多い

せっかく作った入れ歯だけど上手く合わなくて困っている方は多いと思います。多くの方は保険適用の入れ歯を作っていますが、保険適用は限られた材料のなかでしか入れ歯を作ることができないため、患者一人一人に最善な入れ歯だとは言えません。そのためしっくりと馴染まないことが多く、合わない入れ歯を使用している方は非常に多いのです。

入れ歯が合わないまま使い続けると、思わぬことが起きてしまうリスクが発生します。入れ歯が合わないことによるリスクをここでまとめてみましょう。

入れ歯が合わないことによるリスク

(1)噛み合わせが悪く安定感がない
入れ歯は残っている歯や歯茎の高さに合わせることで安定感を得られます。入れ歯が合わないまま使い続けると、噛み合わせが安定しません。自分でもどこで噛んだら良いのかが分からないような状態となり、食事を楽しめません。安定感のないまま入れ歯を使い続けてしまうと、歯茎がブヨブヨになる「義歯性線維種」(ぎしせいせんいしゅ)という異常組織が発生する病気にかかり、場合によっては歯科医院で医師に切除しなくてはならなくなります。

(2)顔にしわができる
入れ歯が合わないことで噛む力が発揮されないと、筋肉がだんだんと衰えます。顔の表面には表情筋や咀嚼筋があり、これらによって肌が支えられています。そのため入れ歯が合わないと表情筋や咀嚼筋が衰えることになり、顔にしわが増えてしまいます。また、よく入れ歯をすると若返ると言われますが、入れ歯は噛むためだけのものではなく、歯がないために少しずつ下がってしまう歯茎を補っています。総入れ歯をはずすと口元がしわしわになるのはそのため。自分に合った入れ歯をすることはアンチエイジングにも有効です。

(3)胃腸の負担が増える
自分の本物の歯に比べると、入れ歯の噛む力は20~30%程度です。入れ歯が合わなければさらに噛む力は弱くなり、食べ物を満足に噛み砕くことができなくなります。その分胃腸の負担が以前よりも増すこととなります。胃腸への負担はトラブルのもと。体の調子が悪くなったり、元気が出なくなったり、肩こりや風邪の原因にもなります。だからと言って自分だけ家族と違うメニューであったり、全て柔らかい料理を食べるのは味気ないもの。合う入れ歯に替えて胃腸の負担を減らしましょう。

(4)認知症リスクが高まる
入れ歯と認知症は一見すると何にも繋がりがないように見えますが、噛むという行為は脳を活性化させることができます。入れ歯が合わないことで噛むことができないと、脳が委縮を始めます。それにより認知症のリスクが高まると言われています。ある歯科大学の研究からは、残存歯の本数が20本以上ある人と比較して、歯のない、入れ歯もしていない人の認知症のリスクは1.9倍だとの結果が出されています。さらに、よく噛んで食べる人とあまり噛めない人の認知症リスクも1.5倍と高くなっています。

(5)残存歯への負担が増える
部分入れ歯の場合は残っている歯にフックをかけて使います。入れ歯が合わないとその分動くこととなり、フックをかけている残存歯も揺れ動くことになります。また噛む力が少ない分残っている歯で噛もうとするため、残っている歯への負担が増えていきます。通常よりも負担が増えると残っている歯が酷使され、歯の寿命を縮めてしまうことがあります。部分入れ歯を作る前には医師と相談し、残存場が健康で部分入れ歯の負担に耐えられるかどうかをよく見極めてもらいましょう。

自分に合った入れ歯を作りましょう

「体の健康は歯から」という言葉を聞いたことはありませんか? 歯は単に物を噛んで食べやすくするためだけのものではありません。噛むことで脳に刺激を与えたり、発音を良くしたり、体のさまざまな部位に影響を与えています。そんな大切な歯にトラブルが起こると、体のあちこちにも不具合が及んで体調を崩すことになりかねません。それは入れ歯であっても同じことです。噛み合わせが悪かったりすぐはずれたり、自分の口に合っていない入れ歯を使っていると、胃腸を始めとした部位に支障が出てしまうことがあります。体を壊して通院費や入院費を支払うよりは、費用はかかってもしっかりと自分に合った入れ歯を作るようにして健康へのリスクを減らしましょう。

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